やりたいことが分からない(対話2)

『前回、今の仕事の嬉しい面や楽しい面を聞きました。その結果、どうやら「他人への貢献」が喜びという価値観が1つ見つかりました。では、今の仕事で辛いことや嫌なことってなんでしょうか?』

「まず、上司。根性論がほとんどで、こちらに響かない。もっと具体的で建設的な話をしたい。また、さらにその上の役職の人に対して何も意見を言えないところ。その割に、部下には格好つけてるのか厳しいことを言う。あとは、会社の立場に立つと売上や数字が大事なのは分かるが、それがすごく目先で、極端な話、騙してでも売ってこい、というスタンスがどうも合わない。一生に一度の買い物なので、もちろん即決することもいいことだけど、お客様によっては、それが全てではない。今すぐ買わなくても、いろいろと相談に乗りたいが、まともに会社にそういうと、客じゃない、相手にするな、ということになる。あとは休みや勤務時間。やることをやっても、早く帰ると、やる気がない、みたいな扱いになるし、休みも取りづらい雰囲気。取るとあとで嫌味を言われる。」

『なるほど。根性論、というのは具体的にはどんなこと?』

「例えば、「待ち」の仕事なんだけど、来店や反響がない場合、もっとどうしたら問い合わせがあるんだろう、来場があるんだろう、て考えて話し合うことをしたいんだけど、「売りたいという執念がないからだ」とかとかくそういうことで怒られたり。あとは運のことを言うんだけど、売れたら「運が良かっただけだ」売れなかったら「執念が足りない」とか。確かに、気持ちや運は大事なのは分かるけど、具体的な話がないから全然進まないな、と。」

『そっか。それが本当はどんな状態になればいいと思う?』

「根性論で終わらずに、具体的にどうするのかを話し合いたい。指示をもらうのではなくて、みんなで意見を出し合いながら進めていきたい。これが理想。」

『なんでそういう状態がいいの?もしそういう状態になったとしたら、今と何が変わってくるんだろう?あなたや、みんなや、上司の気持ちなんかも含めて。』

「みんなで意見を出し合いながら進めていくと、やらされ感がなくなるはずだから、みんなもっと楽しく仕事ができるかな、というのと、もっと考えるから。あぁ、考えてやるとやらされ感なくできる、楽しめる、するともっと考えるようになる、という循環が生まれるんじゃないか、とか。」

『とか?』

「信頼できるようになるんじゃないかな?」

『信頼っていうのは?』

「なんだろ、上司から部下への信頼かな。今はないから。難しいなぁ。今はないから一方的な指示になる。一方的な指示だからやらされ感が出る。結果が出れば上司としては俺の言う通りやっておけば出るんだ、となるし、結果が出なければ部下の取り組み方の問題にするし。」

『そうか。それも、どんな風になっているのが理想なの?』

「もし、一方的な指示を出した場合、結果についてはその上司に責任を持ってほしい。というと甘えに思われるかもしれないけど。結果が出ない時、部下に厳しくするのは、それは構わないと思う。ただ、その上司がさらに上の役職の人から責められた時に、「部下は自分の指示に従って一生懸命やった。結果が出なかかったのは自分の指示のせいだ」と庇うというか、言ってくれるのか、「指示は出してるんですが、部下がちゃんとやらないんです」と、部下のせいにするか。そこの違いです。前者みたいに、部下には厳しいけれど、何かあれば全力で守ってくれるのであれば、一方的な指示であろうが、この人についていこう!という感情が出ます。」

『責任感がある上司?』

「ですね。責任感もいろいろとあると思いますが。そうでなければ、みんなで考えて意見を出し合い、みんながそれぞれ納得した状況で仕事に取り組みたい。」

『なるほど。根性論ではなくて、建設的な仕事への取り組み方をしたい、と。そして建設的な仕事への取り組み方は、上司からの一方的な指示でもいいし、みんなで意見を出し合って決めてもいい。ただし、上司からの一方的な指示の場合は、その結果について部下の責任にするのではなく、自ら責任をとる、感じてほしい、という感じかな?』

「そうですね。」

『条件があるけども、みんなで話し合うのと、一方的な指示でもどちらでもいいんだ?』

「まぁ、そういうことになりますね。」

『パッと見、正反対のように感じるけど、そこで共通することってなんだろう?』

「やる気、ですかね。やる気の対象は、仕事に対してか、上司に対してか、で違いますけど。モチベーションというか。」

『なるほど。それってまた、最初に仕事の嫌なところであげた、根性論、ではなく?』

「うん。結局は根性論というか精神論というか、そういうことになるんですけど。根性論をそのまま言葉で言われても、なんかしっくりこないですよね。外から押し付けられてるような感じで。叱られたくないからやる、とか。逆に、叱られたくないから黙っとく、とか。僕の理想のところは、内から出でくる感情。その対象がなんであれ、創意工夫して試行錯誤して仕事に取り組む面白さ、とか、この人のために頑張ろう、とか。なんか対象は違うけど、自分の内側から出てくる感情、みたいな。」

『なるほど。自分の内側から出てくる感情、やる気、モチベーション、ね。外からの押し付けではなく。それを大事にしたいんだね?』

「うん。その方がやってて楽しいじゃないですか。やってることに満足感がある。」

『なるほど。じゃあ、他に、会社の求めるコトは目先の利益だけれども、自分としてはお客様のことを考えて仕事をしたい、ていうことだね?具体的にはどんなときにそう感じるの?』

「う〜ん。結局騙してでも、という部分は自分が本当にお客様に対してそうするかどうか、の問題なので実際には言われる通りはしてなくて。そう言われることにストレスを感じたり疑問に思う感じかな。その点では実際にはお客様のことを考えて仕事をしたい、てのはしてるかも…」

『そうなんだね。』

「あ、でも、お客様によっては即決するんじゃなくて、不安もいっぱいあってじっくり調べたい、とかまずはその不安を解消したい、とか、すぐ買うつもりはないけれど、とりあえず見に来た、とか今見に来てる家は買わないけれど、今後自社の物件で買うかもしれない、という人もいるじゃないですか?そういった場合に、すぐ買わないなら客じゃない、とか、そんな客を追ってどうする、とか言われるのはイヤですね。」

『イヤ、というのは?』

「イヤ、と言うのは、自分は、すぐ買わない客は客じゃない、とかそんな対応ではなくて、どんなお客様でも役に立てればいいな、と思うわけです。話して、聞いて、あぁ、今日ここに来て良かった、と思ってもらいたい。もちろん、そこで自社の家を購入してもらって、それを通じて良かった、と思ってもらえるのを目指してるけど。その場はそうじゃない結果になってもいいじゃないか、と。また別の自社の物件を買ってくれるかもしれないし。悪い印象を与えるのは良くないとも思う。」

『なるほど。ここでも、「役に立てれば」という言葉が出てきたね。売るためには、という別のことも話せるけれども、今は「役に立てれば」という言葉に焦点を当てるよ。前回話した、仕事を通じた楽しいこと、嬉しいことでも「他者への貢献」がひとつのキーワードになったから。』

「確かにそうですね…結局はそれを望んでるかもしれないです。」

『ところで、「他者への貢献」が今のところ、お客様、に対してになってるけど、「会社への貢献」についてはどう思う?会社を他者とするか、自分と一体化してみるか、でまた違ってくるとは思うけど。』

「う〜ん。僕の感覚では、会社は他者、ですね。そうした場合に会社への貢献、となると。まずは利益をもたらすことが一番かも。そして、会社の知名度や評判、ブランド化に少しでも力になれること、かな。」

『なるほど。では、その上司の立場に立ったとしたら、どう感じる?』

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